緑内障は40歳以上がほとんど
40歳以上になると区や企業でも緑内障の検診が始まり、20から30人に1人は緑内障の疑いで詳しい検査を受けるように言われます。
大規模な疫学調査によると、40歳以上の5%が緑内障であると言われています。
子供でも起きる緑内障が発達緑内障
子供の緑内障は発達緑内障と呼ばれ、生まれつき隅角という部分に発育異常があり、眼圧が上昇し、視神経が障害される病気です。
隅角とは目の中の水(房水)の出口のことで、隅角が狭くなると房水が眼内から排出されずに眼内に貯留し、急激に眼圧が上がり、視神経が障害されます。
発達緑内障とは?
早発型発達緑内障
生後1歳までに約80%が発症する、生まれた時に起こっている場合は先天緑内障とも呼ばれる
遅発型発達緑内障
隅角異常が軽度で、10~20歳代で発症する
他の先天異常
無虹彩症、スタージ・ウェーバー症候群、ペータース異常など
を伴う発達緑内障、の3つに分類されます。
早発型発達緑内障の場合は、高い眼圧によって眼球が拡大するために、流涙(涙が多い)、羞明(光を極端にまぶしがる)、眼瞼けいれん(まぶたがピクピク動く)、角膜混濁(黒目が白くにごる)、角膜径拡大(黒目がかなり大きく見える)といった症状が現れます。
発達緑内障は、できるだけ早く発見し治療を開始する必要がありますので、このような症状がみられる際は、すぐに眼科を受診しましょう。
遅発型発達緑内障の場合は、上のような症状が見られることは少なく、症状も軽いため、発見が遅れることが多いです。
他の先天異常を伴う発達緑内障は、全身的な先天異常を伴うことがあります。
発達緑内障の検査は?
発達緑内障の診断には、眼圧検査、隅角検査、眼底検査などが必要ですが、じっとして検査を受けることができないような小さい子供さんの場合には、全身麻酔をかけたり、催眠剤を用いて、正確な検査を行う必要があります。
発達緑内障の治療や経過は?
早発型発達緑内障は、はやめに手術を行う必要なことがあります。
その後も経過観察が必要です。
また、眼圧が下がった後も、角膜混濁などの障害が残っていることが多いです。
遅発型発達緑内障は、一般に薬物治療から開始し、薬物では眼圧が下がらない場合に、手術を行います。
他の先天異常を伴う発達緑内障では、発症した時期や先天異常の種類に応じて、手術もしくは薬物治療を行います。
発達緑内障は、できるだけ早期に発見し、診断・治療を受ける必要があります。
こんな症状があったら早めに受診を
涙が多い、光を極端にまぶしがる、まぶたがピクピク動く、黒目が白い、黒目がかなり大きいなどが気にあることがあったら眼科を受診するようにしましょう。