頭と目の奥が痛い!その頭痛、薬剤乱用頭痛の可能性が

2018/05/25

頭と目の奥が痛い、と受診される方の中に、いつも市販薬を飲んで痛みを抑えているが、目の病気はないかどうか、頭の病気はないかと心配されて受診されるかたがいらっしゃいます。

頭痛でも、頭だけ痛いタイプの頭痛もあれば、偏頭痛で首や肩、こめかみなど様々なところに不快感や痛み、目の奥が痛いという症状を訴える人もいますし、もっと強く、頭痛に伴ってうずくまってしまうほど目の奥も痛み、もしくは重い感じや不快感が出る人もいます。

頭痛、眼痛でしんどいけれど、時間もないし、生活できないほどではないので病院にいかないで済ませようとすると、ドラッグストアで鎮痛薬を購入してその場その場なんとか過ごす、ということになるのが多いかと思いますが、頭が痛いからといって毎日のように頭痛薬を飲んでいると、かえって症状をこじらせることになりかねません。

頭痛薬を月に10日以上飲んでいませんか?

頭痛薬を月に10日以上飲んでいる場合には「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱性頭痛)」に陥っている可能性があります。

もともと片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛持ちの人が、頭痛薬の飲み過ぎにより、かえって毎日頭痛が起こるようになった状態を「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といいます。市販鎮痛薬の飲み過ぎによるものが多いですが、医師から処方された薬によっても起こります。

次のような症状が当てはまる人は、「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」の可能性があります。

  • 月に15日以上頭痛がある。
  • 頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。
  • 朝起きたときから頭痛がする。
  • 以前はよく効いていた頭痛薬が効かなくなってきた。
  • 薬をいくら飲んでも頭痛が以前よりひどくなってきた。
  • 頭痛の程度、痛みの性質、痛む場所が変化することがある。
  • 以前は月に数回、片頭痛が起こっていた。

「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」の診断基準は、国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)の付録によって以下のように定義されています。

薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)の診断基準

  1. A. 以前から頭痛疾患をもつ患者において、頭痛は1ヵ月に15日以上存在する
  2. B. 1種類以上の急性期または対症的頭痛治療薬を3ヵ月を超えて定期的に乱用している
  3. C. ほかに適切なICHD-3の診断がない

日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版 beta版 医学書院:106, 2014

悪循環でさらに悪化する頭と目の奥の痛み

頭痛が起こり、鎮痛薬をすぐに服用するようになり、飲む回数や量が増えていくと、次第に、脳が痛みに敏感になり、今まで痛みとして感じなかった感覚も痛み(頭痛)として感じるようになってしまいます。

すると、さらに頭痛薬を服用する回数が増え、さらに脳の過敏性がさらに上昇し、さっらに頭痛薬の服用回数がさらに増える、という悪循環に陥ります。

市販されている鎮痛薬の飲み過ぎによることが多いですが、病院で処方された薬でも限度を超えて内服しすぎれば薬物乱用頭痛が起こる可能性はあります。

薬物乱用頭痛を起こしやすい薬は?

市販で購入できる頭痛薬は非ステロイド性抗炎症薬のみですが、他に医療現場で使用されている頭痛薬を含めると、次の3種類が薬物乱用頭痛を起こしやすいと考えられています。

非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)・エルゴタミン製剤・トリプタン製剤

このうち、非ステロイド性抗炎症剤は、市販でも数多くの種類があり、風邪薬にも含まれています。市販薬には、ロキソニン、バファリン、イヴ、ノーシンなどがあります。イヴやロキソニンは特に女性は生理痛で飲みなれている薬なので気軽に飲めてしまいますね。

頭痛薬の中止で、70%程度は改善

頭痛薬の中止により、70%程度は改善が見られるようですが、また頭痛薬の服用を再開するケースも多いようです。

まずは薬物乱用頭痛にならないように、頭痛薬の飲みすぎに注意して、頭痛をコントロールすることが大切です。

最終的には今服用している頭痛薬を止めなくてはなりません。鎮痛薬を内服し続けても治療にはならないので根本的には治らないですし、体にも内臓にもよくありません。

薬物乱用頭痛の治療方法

薬物乱用頭痛の治療の原則は主に次の3点です。

  1. 原因薬物の中止
  2.  薬物中止後に起こる頭痛への対応
  3.  頭痛の頻度を減らすための予防薬の投与

頭痛薬を一気に中止する方法と頭痛薬を少しずつ減量して中止する方法とありますが、頭痛薬を一気に中止したほうがよいケースが多いようです。

しかし、逆効果になり、内服を再開してしまう場合もあり、中止するのは結構しんどいことです。簡単に薬局やネットで薬を買えるようになったので、がまんするのが大変ですね。

頭痛で外来を受診するときには頭痛日記をつけてきていただくとわかりやすいです。何月何日何時からどのくらいの時間どのような痛みがどのくらいの強さで継続して、何をどのくらい内服し、結果痛みはどうなったか、などを記載してきていただくと頭痛の診断や治療にも大変役にたちます。