学校検診で行われている視力検査は眼から5m先のモノを見る能力をみる検査です。
検診の結果眼科で視力検査を受けるように言われて受診された場合、学年で多少違いますが、だいたい以下のようにお話しています。
学年が上がると黒板の字も小さくなるのでよい視力が必要になってきます。
裸眼視力0.7以上
一般的にはまだ眼鏡なしでも大丈夫ですが、必要、希望に応じて相談して眼鏡を使用します。
裸眼視力が0.7未満~0.3以上
席を前の方にしてもらえれば大丈夫ですが、席が後ろの場合は眼鏡があったほうがよいと思われます。
裸眼視力0.3以未満
眼鏡をかけたほうがよいでしょう。
見落とされやすい遠視
しかし、遠くはよく見えても本を読んだり勉強したり、読んだり書いたりが苦手な場合があります。
学校の検診での視力は近視は発見されやすいですが、遠視は見落とされやすいのです。
遠視の人の場合は、本を読むなどの手元に焦点を合わせるときにピントを合わせる力が近視の人よりも必要です。
遠視が強ければ強いほど近くを見るのは大変になります。
お子さんの場合、遠視があっても遠くはよく見えることが多いので、検診では引っ掛かかりにくいです。
が、本を読んだりするのはピントがあってなくて、疲れやすいので、勉強が嫌いであるということが起こります。
また、ピントを合わせる力が弱くて近方視力が悪いこともあります。
大人でも40代後半から老眼が始まると誰でも近方の視力が落ちてきて、本を読んだり手元の作業が見づらくて疲れるようになり、老眼鏡をかけるようになりますが、子供でも手元が見づらいまま一日中勉強するように言われてもつらいものです。
しかし、子供は自分で手元の見づらさを自覚したり訴えることはほとんどできないので、本当は勉強や読書も嫌いでないのにやりたくないように見えてしまうことになります。
学校の検査では見つからない遠視
学校の身体検査で行う視力検査では見つかりません。
近方視力が悪いと言うまでもなく文字を書いたり読んだりが困難になることもあります。
遠視だった、またはピントを合わせるのが苦手だった、という場合、遠視の眼鏡を使用したり、近くにピントを合わせるトレーニングをしたり近方用の眼鏡を使用することで対処し、楽に手元を見ることができるようにできます。
遠視で眼鏡を使用していなかったお子さんが眼鏡を作成したとき、自分でも勉強が嫌いだと思っていたのに眼鏡のせいだったのか、もっと早くかけれが良かった、と言っていたこともあります。
遠方の視力が良好でも一度視力検査を受けてみるようにしましょう。