視神経乳頭陥凹拡大とは?
検診の時に、瞳孔から目の奥を覗いて視神経の断面を見ます。
円柱の丸太の断面のようですが、真ん中が生理的にへこんでいて、陥凹と呼ばれます。
視神経繊維がなんらかの原因で障害されていると陥凹が大きく深くなってくるので、検診では陥凹が大きいと思われる人に、詳しい検査を受けるように指示がでます。
視神経に対して陥凹の割合が1:0.6以上の場合に、大きいとされます。
眼圧とは目の硬さのことで、目が球を保つために働いている圧力です。
正常範囲は10~21mmhgの範囲ですが、検診では22mmhg以上の場合は、病院へ行きましょうと言われます。
圧が高いと視神経繊維を傷害して減ってきてしまい、視野が障害を起こしてしまうからです。
眼圧が高くても陥凹が大きくてもそれだけで緑内障とはかぎりません。
緑内障ということばは眼圧が高い状態と、視神経か障害されて視野が狭くなった状態の意味で使用されています。
現在40歳以上で検診を受けると30人に一人は疑いがあり、20人に一人は緑内障があると言われています。
緑内障は失明原因の上位に位置します。
視神経繊維は一度症がされると治療しても回復しないため、悪化するまえにできるだけ早期に発見し、治療を始めてあげることが大切です。
緑内障の精密検査
① 光干渉断層系(OCT)
三次元で神経線維の厚みを測定して解析することができる装置です。視神経乳頭陥凹の程度、視神経乳頭周囲の神経線維の厚み、黄斑部の神経線維の厚みを測定することでごく初期のものでも緑内障の進行を正確に評価することができます。
視野検査は自覚的な検査で、すこし時間がかかるうえ、患者さんの年齢や体力、理解力などに信頼度が影響されますが、OCTは客観的な検査で負担もすくないため、緑内障の評価には大変有用な検査です。まずOCTで視野検査が必要かを確認して必要なら視野検査をします。
② 視野検査
視野の各部位でどの程度まで光が見えるかを測定して視野障害の範囲や程度を調ます。
緑内障と診断されると、点眼治療が始まります。治療が開始されたからといって、必ず失明するわけではなく、緑内障のタイプもいろいろで、進行の程度もそれぞれです。
ほどんどはゆっくり自覚がない程度に進行していくもので、一度緑内障になると一生、点眼による治療や通院が必要になりますが、自覚症状のないまま終わることもあります。
生涯なるべく見え方で不便なくいられるように早期に発見してあげて早期に治療を始めることが大切です。